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認知症への対応

認知症にどう対応するのか

異常なもの忘れに関して、これには本人は自覚できないという問題があります。認知症では、物忘れを心配して自分から病院に行くということはまずありません。

なかなか難しいですが、家族が異常に気付いた時点で、嫌がる本人を連れ病院に行く必要があります。

家族として知っておきたいこと

家族構成のイラスト

認知症は、理解力や判断力、生活力が低下するという問題があります。外出の際は付き添って、食事の準備や掃除・洗濯も家族がして、薬やお金の管理もする。車の運転も危ないのでやめさせる。小学生ぐらいに戻ったものとして対応していくことになるので、同居したうえでのサポートが望ましいでしょう。家族関係や家庭状況によっては、同居が困難かと思いますが、その際には施設入所などを検討することになります。

告知の内容ですが、本人には認知症であること、進行性の疾患であることまではあえて説明せず、「年も年なので、認知症の予防のお薬を始めましょう。」ぐらいで済ますことがほとんどです。病気の自覚がない場合、「認知症です。薬が必要です。」と告知すると、「そんなはずない」「あの医者はおかしい」「病院なんて行くもんじゃない」と信頼関係を損ねて、薬を嫌がったり、通院自体が難しくなったりします。今は認知症の良い薬が出てきており、初期に適切な対応を取れば、進行を少し遅らせることができるので、その点を考慮した対応が必要です。

進行した認知症

数年して、病状が進んだとき

認知症が進行すると、ここ数年の記憶がすっぽりと抜け落ちて、その上、数秒前のことも忘れてしまうので、ここはどこなのか、周りにいる人は誰なのか、なぜ自分はここにいるのか、そういったことが全部わからなくなってしまい、 些細なことで混乱したり、怒ったりします。家にいるのに「家に帰る」と怒って、出ていこうとしますが、出口が分からずに何時間もウロウロしたり、突然、物を次々と窓から投げ捨てたり、脱いだ服をトイレに流してつまらせたり、意味もなく水道の蛇口を開けて回ったりします。また、体の衰えも進んでいて、歩くとすぐ転倒してしまいますが、危険が認識できずに徘徊し、毎日のように転倒します。転倒による骨折も増えてきます。なんでも口に入れるようになるので、便やティッシュ、時にはビニールやボールペン、ゴミまで食べてしまうこともあり、消毒液を飲んでしまったり、便をあちこち擦り付けたりします。この頃になると、在宅では難しいので、精神科入院や施設入所になることもあります。

対処法を考える

体が衰えて、転倒や骨折を繰り返す
廊下や室内に手すりをつける。杖や歩行器を置いておく。
変なものを食べる(ティッシュやオムツ)
できる限り物は撤去する。食事量をアップする。つなぎ服を使用する。
混乱・興奮しやすい
本人に言って安心するだろう事を言い、無駄に言い争わないようにする。「ここは家だから」や「さっきご飯食べたじゃない」と言うと、「そんなはずない」と余計怒ることもあるので、柔軟な対応を心がけましょう。

大切なのは、しっかりとした予防、初期の対応を行うこと。

若くして認知症にならないように、お酒はやめる、毎年健康診断を受け、高血圧や糖尿病を早期発見しきっちり治療する。そして、認知症になってしまった場合も、家族が異常に気付いた時点で、すぐに精神科を受診する。そういったことが大切になってきます。

認知症の研究~有望な医学研究~

アリセプト

脳内のアセチルコリンを増やし、元気を出す働きがある。初期に投与すると、病気の進行を少し緩和する。

いつもしんどがって何もしないような人が少し元気を取り戻す。(少ししっかりして、トイレの失敗が減る、会話が少し噛み合うようになる、などの反応が出ることも。)

iPS細胞

山中伸弥:元整形外科医、全身が変形した関節リウマチ患者にショックを受け、研究の道に進む。2012年にノーベル賞受賞。

患者の皮膚や血液の細胞から、心臓や腎臓、網膜などの臓器を作る技術。

あらゆる難病の治療に応用が期待されている。

認知症の医学研究費

基礎的医学研究は、民主党などほとんどの政党が削減を推進してきましたが、そのなか、公明党は支援を表明。

山中教授も、テレビ局のインタビューに対して、「公明党の支援がなければ、成功しなかった」と話している。